香港と中国の国境にある街、深圳Shenzhen。
せっかくだからちょっと中国も見ておくか、ということで行ってみた。
ホンハムから電車で40分くらいで国境に着く。出国手続きをして、国境の川にかかる橋を渡ると、そこは中国。
中国に入ったとたん、周りの人が突然無愛想で遠慮がなくなる。
まあ、香港も日本に比べれば愛想がないけど、中国人のつっけんどんな感じはちょっとへこむ。
深圳に来てみたものの、何だかよくわからない。
ただどーん、と広いだけ。広い道、大きな建物、たくさんの人・・・・で?という感じ。
日本に観光に来たフランス人が、立川駅前で立ち尽くす感じ。
とりあえず、駅前の3ブロックくらいをぐるりと回ってみたけれど、まったくつかみどころがない。
なんなんだ、ここは。
暑くて喉が乾いて、ジューススタンドで買ったジュースが、コーンジュースとかいう健康ドリンクで、お米とトウモロコシの味がしてとてもまずい。
2口飲んで捨てた。
道端で3歳くらいの女の子がおしっこをしていてドン引き。なんかこの街にいるのやだな、という気分になった。
でも両替屋で500元両替してしまったし、何もしないで香港に帰るのももったいない。
広州まで行くともう少しローカルでほのぼのした感じかも、と思って、電車で広州に行ってみることにする。
和階号という新幹線のような電車があるので、それに乗る。
香港の街中の漢字は、日本人が見ても何となく意味が連想しやすいけど、中国の漢字はいまひとつピンとこない。単に簡体字がわかりにくいだけでなく、他にも何か問題があるような気がするけど何なのかはよくわからない。
1時間くらい電車に乗って、広州;广州Guangzhouに着いた。
しかし、広州は深圳に輪をかけて、広くて人が多くて意味がわからない。ますますつかみどころがない。
地球の歩き方も中国のことは載ってないし、ツーリストインフォメーションのような気の利いたものもなく、最終日で時間もないので、適当に駅前をぐるっと回ればいいか、と思う。しかしどっちに行けば何があるのかさっぱり見当がつかない。
とりあえず、李先生というファーストフードの店で腹ごしらえ。牛角煮丼。
まあまあおいしかった。香港より少し油っこい感じがする。八角とコショウの味付けが濃いめ。
排気ガスでスモッグのようなもやがかかっている。
タワーが同じ方角に2つもある。
解放とか統一とかいう文字が何となく中国っぽい。
果たして解放されて統一されているのかどうかはよくわからないけど。
ぶらぶら歩いていたら、犬がたくさん出てきた。
看板をよく見ると、中国人民解放軍の高射砲兵がなんたらとか書いてある。危なそうなので引き返す。
新聞がべたっと壁に貼ってあり、通りがかる人がみんなで新聞を読んでいる。
いや、まあ別にいいんだけど、何なんだろうこの居心地の悪い気分は。
こういう風景って中国以外の国であまり見た覚えがない。
安全文明小区という住宅街に入り込んだ。安全な文明の小区らしい。
まあ、子供もたくさんいるし、安全な文明には違いない。しかしわざわざ安全で文明であることを明記する必要があるんだろうか。
平和台とか自由が丘みたいなものか。
安全文明小区のマンションの1階はマーケットになっていた。
換気が悪くて、青臭い匂いで充満している。まあ、雨天でも開店できていいんだろうけど、うーん。
しばらくあちこち歩いてみたけれど、何だかよくわからん、というトーンで一貫していた。
どうも中国は好きになれそうにない。人が多くて道が広いということ以外、特筆すべきことが何も無い。
電車がなくなると嫌なので、さっさと香港に帰ることにする。
なんだかすごくうんざりする切符売場。
切符売場だけで一つの大きな建物になっている。
切符売場の建物から、乗り場の建物まで、いったん外に出てぐるりと回って行かないといけない。
どれもこれも人が多すぎるから。
一人っ子政策とかやりたくなる気持ちもわからないでもない。
文化大革命で隣人家族を皆殺ししたくなる気持ちもわからないでもない。
あとで地図を見たけれど、広州って、中国全体から見ると下の方にポツーンとある小さな街。
それでこんな調子なんだから、なんだか気が遠くなる。
中国は何となく合わないような気がして今まで敬遠していたんだけど、やっぱり合わない気がする。
生まれて初めての中国訪問はちょっと残念な感じ。
香港とは相性がよい感じがしたのだけれども。
ユン チアン
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