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そんな感じで香港、マカオ、中国を回ってきました。
まあ、楽しかったですね。
香港は住んでもいいかも、と思った。
マカオはおもしろいけどもういいや、と思った。
中国はちょっと苦手かも、と思った。
まあ、中国も広いからねえ。北京や上海はたぶんまた全然違うんだろう。

香港は多分また行くことがあるんじゃないかな、と思います。
そのときは、坪洲島とかの素朴そうな小さな島とか、龍躍頭あたりの古い田舎町とか行ってみたいですね。

地震の影響もあって、東京にいる欧米人が次々と香港に移住しているそうだけど、その気持ちもよくわかる。
たいして東京と変わらない生活が、だいぶ安い物価で過ごせるので、いい所だと思います。
ほどほどにいい加減で、単刀直入にツボを抑えた感じのコミュニケーションが心地良かったです。
多分今の東京は過剰サービスと過剰コンプライアンスに毒されている気がする。
香港ぐらいいい加減でいいんじゃないの、と思った。
今回の地震は、そのへんの過剰さについて、頭を冷やすいいきっかけになっているんじゃないのかな、と思います。
適当でいいよ、適当で。

ちなみに今回の旅行記の、でかい写真をどさどさ貼るレイアウトは、震災の報道で見たイギリスのメール紙のレイアウトに感化されたものです。

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http://www.dailymail.co.uk/news/article-1365569/Japan-earthquake-tsunami-Aftershocks-10k-missing-Minami-Sanrik.html

Pray for Japan

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香港と中国の国境にある街、深圳Shenzhen。
せっかくだからちょっと中国も見ておくか、ということで行ってみた。
ホンハムから電車で40分くらいで国境に着く。出国手続きをして、国境の川にかかる橋を渡ると、そこは中国。
中国に入ったとたん、周りの人が突然無愛想で遠慮がなくなる。
まあ、香港も日本に比べれば愛想がないけど、中国人のつっけんどんな感じはちょっとへこむ。

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深圳に来てみたものの、何だかよくわからない。
ただどーん、と広いだけ。広い道、大きな建物、たくさんの人・・・・で?という感じ。
日本に観光に来たフランス人が、立川駅前で立ち尽くす感じ。

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とりあえず、駅前の3ブロックくらいをぐるりと回ってみたけれど、まったくつかみどころがない。
なんなんだ、ここは。
暑くて喉が乾いて、ジューススタンドで買ったジュースが、コーンジュースとかいう健康ドリンクで、お米とトウモロコシの味がしてとてもまずい。
2口飲んで捨てた。
道端で3歳くらいの女の子がおしっこをしていてドン引き。なんかこの街にいるのやだな、という気分になった。

でも両替屋で500元両替してしまったし、何もしないで香港に帰るのももったいない。
広州まで行くともう少しローカルでほのぼのした感じかも、と思って、電車で広州に行ってみることにする。

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和階号という新幹線のような電車があるので、それに乗る。
香港の街中の漢字は、日本人が見ても何となく意味が連想しやすいけど、中国の漢字はいまひとつピンとこない。単に簡体字がわかりにくいだけでなく、他にも何か問題があるような気がするけど何なのかはよくわからない。

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1時間くらい電車に乗って、広州;广州Guangzhouに着いた。
しかし、広州は深圳に輪をかけて、広くて人が多くて意味がわからない。ますますつかみどころがない。

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地球の歩き方も中国のことは載ってないし、ツーリストインフォメーションのような気の利いたものもなく、最終日で時間もないので、適当に駅前をぐるっと回ればいいか、と思う。しかしどっちに行けば何があるのかさっぱり見当がつかない。

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とりあえず、李先生というファーストフードの店で腹ごしらえ。牛角煮丼。
まあまあおいしかった。香港より少し油っこい感じがする。八角とコショウの味付けが濃いめ。

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排気ガスでスモッグのようなもやがかかっている。
タワーが同じ方角に2つもある。

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解放とか統一とかいう文字が何となく中国っぽい。
果たして解放されて統一されているのかどうかはよくわからないけど。

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ぶらぶら歩いていたら、犬がたくさん出てきた。
看板をよく見ると、中国人民解放軍の高射砲兵がなんたらとか書いてある。危なそうなので引き返す。

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新聞がべたっと壁に貼ってあり、通りがかる人がみんなで新聞を読んでいる。
いや、まあ別にいいんだけど、何なんだろうこの居心地の悪い気分は。
こういう風景って中国以外の国であまり見た覚えがない。

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安全文明小区という住宅街に入り込んだ。安全な文明の小区らしい。
まあ、子供もたくさんいるし、安全な文明には違いない。しかしわざわざ安全で文明であることを明記する必要があるんだろうか。
平和台とか自由が丘みたいなものか。

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安全文明小区のマンションの1階はマーケットになっていた。
換気が悪くて、青臭い匂いで充満している。まあ、雨天でも開店できていいんだろうけど、うーん。

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しばらくあちこち歩いてみたけれど、何だかよくわからん、というトーンで一貫していた。
どうも中国は好きになれそうにない。人が多くて道が広いということ以外、特筆すべきことが何も無い。
電車がなくなると嫌なので、さっさと香港に帰ることにする。

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なんだかすごくうんざりする切符売場。
切符売場だけで一つの大きな建物になっている。

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切符売場の建物から、乗り場の建物まで、いったん外に出てぐるりと回って行かないといけない。
どれもこれも人が多すぎるから。
一人っ子政策とかやりたくなる気持ちもわからないでもない。
文化大革命で隣人家族を皆殺ししたくなる気持ちもわからないでもない。

あとで地図を見たけれど、広州って、中国全体から見ると下の方にポツーンとある小さな街。
それでこんな調子なんだから、なんだか気が遠くなる。

中国は何となく合わないような気がして今まで敬遠していたんだけど、やっぱり合わない気がする。
生まれて初めての中国訪問はちょっと残念な感じ。
香港とは相性がよい感じがしたのだけれども。

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香港はだいたいにおいて料理がおいしい。そして安い。300円あればお腹いっぱい。
香港人はあまり自炊をしないそうです。みんな外食。そんなわけで安くておいしい食堂が街中にあふれている。
この味皇というお店はチェーン店で、日本でいうガストのような感じだったけど、ガストのように手抜きをせずに、ちゃんとおいしかった。
それでもマックや吉野家やKFCもいつも混んでるから不思議。香港人も毎日香港料理だと飽きるのかな。

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シンガポールライス。

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砲台山のほうの味皇。

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牛の角煮丼のようなもの。おいしい。

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スクランブルエッグ。ハムがちゃんと甘くて香港風味。

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レモンティー。レモン多すぎ。

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尖沙咀の定食屋。写真のものを頼んだはずが(笑)。
どこに行っても、こういう脂身のようなぷにぷにしたものだらけ。

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油麻地にあった定食屋。おいしかった。

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尖沙咀にある少しランクが上の定食屋。春巻がパリッパリですごくおいしかった。やっぱり中国では中華を食べるのが一番。

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ツイッターで黄大仙ウォンタイシンを薦められたので行ってみた。道教のお寺。

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なんだか派手だねえ。道教って何なんですかね。よくわからんです。陰陽のマークを見て思い出すのはキョンシー。風水は道教の陰陽五行説を応用したものだとか。

道教(wikipedia)

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黄大仙から30分くらい歩いて、九龍城まで行った。
九龍城は九龍とついているけど、九龍の中心地の尖沙咀からは随分離れている。近くに駅もなくてバスでないと行きづらい。
昔はここのそばに啓徳空港があったとか。

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九龍城にはその昔、九龍城砦という巨大なスラム化した集合住宅があって、無法地帯として恐れられていたらしい。
97年の香港返還にあたり、イメージダウンを懸念した中国政府の意向により全面撤去され、今はただの公園になっている。

九龍城砦

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現在の九龍城の下町は、タイ料理やベトナム料理など、エスニック料理の楽しめるグルメな街となっている。
このへんは中心地のように建物が高すぎないので落ち着く。

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香港には、こういう風に、2階以上の部分がそのままアーケードの屋根に位置する作りの建物が多い。
なんだかこわいよねえ。何かの拍子にストーンと落ちてしまいそうな気がするけれど。

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九龍城では、潮州料理という中国の地方料理がおいしい、と地球の歩き方に書いてあったので、潮州料理の店に入った。
香港にまで来てタイ料理という気分でもないし。
九龍城は、広東省の潮州からの移民が多いらしい。

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凍烏魚という、魚を蒸してから冷やして食べる料理。本当はこれの蟹が有名らしいけど、品切れだったので魚にした。
これがうまい。とてもうまい。
香港の甘くてぷにぷにした料理に若干食傷気味だったので、あっさりとした塩味だけのシンプルな調理がほっとした。
酒のつまみにすごくいい。大瓶のビールもくいくいいける。
魚が60HKDに、ビールが10HKD。770円。繁華街から少し離れると物価も安い。

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旅先でツイッターをしてたら紅磡Hung Homを薦められたので行ってみた。
尖沙咀から東のほうに歩いて20分くらい。西側の電車と東側の電車が合流するターミナル駅。

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ホンハムは都心からちょっと離れた住宅地。
日本だと基本的にベランダは南を向くものだけど、香港はストリートを向く。
こういう絵を見たときの何とも言えない違和感はそういうところから来るようにも思うし、もうちょっと込み入った謎があるような気もする。
やっぱり風水か。

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なんなんだ、この角度は。これも風水か?

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何かが救いようなくおかしいけど、何がおかしいんだと開き直られると何とも言えない。

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そこの裸電球はそんなに必要なんですか? これも風水か。

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漢方薬の店にはよく人が並んでいる。

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適当に目についた食堂でサンラーワンタン。
見た目は悪いけど、まあまあおいしい。
いろいろぷにぷにする。何を食べているのかよくわからない。こんにゃくとさつまあげの合いの子みたいなものとか、豆腐とピータンの合いの子みたいなものがいろいろ入っている。

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尖沙咀みたいに、変なインド人とかアフリカ人とかがいなくて、落ち着いた雰囲気の街だった。

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中環centralは香港の金融街。東京でいう大手町。ニューヨークで言うウォール街。
風水の思想を背景にしたおかしなビルがたくさんある。

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HSBCの1-2階は吹き抜けになっていて、エスカレーターで3Fに上るようになっている。
こういう風の取り入れ方が風水。
この写真ではわかりにくいけど、奥の方から手前の方にかけて、水が流れるように、ゆるく下り坂になっている。
こういう感じも風水。

風水って宗教なんだか何なんだかよくわかんないんですけどね。
とにかく香港の街は風水をもとに気の流れを作っています。

風水(wikipedia)

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外壁がでこぼこしている。これも風水???

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ビルの下のほうを、ずっと壁にするのではなく、足で支えるかたちにしている。これも風水。風の流れがいい。
風の流れはいいけれど、強度的にはすごく心配。大丈夫なのかね。
香港の建築士は日本の建築士の数倍頭を使うと思う。
まあ、日本は日本で地震対策が大変だけど。香港には地震がないからこういうヘンテコな建築が作れる。

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僕の中では香港一クレイジーと評価の高い中国銀行タワー。
とある本に、展望台があると書いてあったので、行ってみた。

受付のお姉さんに、「展望台って見れますか」と聞くと、荷物検査の上、入館証を貸してくれた。エレベーターで43階へ。

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43階の展望台は意外と狭かった。まあ、眺めは良かった。

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上から見た九龍のフェリー乗り場。

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上から見たHSBC前の公園。

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中環のフェリー乗り場に向かう歩道橋の右手は埋立工事中。1年後に訪れるとまた全然違う風景ができていると思う。

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今のところ香港で一番高いと思われる、國際金融中心ビル。

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九龍と中環を結ぶスターフェリーには滞在中10回くらい乗った。

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九龍側のフェリー乗り場。

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香港でマーケットというと、油麻地Yau ma teiのマーケットが有名。
朝は八百屋が立ち並ぶ朝市、昼間は翡翠の店が立ち並ぶ玉器市場jade market、夜は廟街temple streetのナイトマーケット。

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とりあえず朝市から。地元の市場は地元のプライシングの参考になる。
旅先でまず把握する必要があるのは、1にあいさつ、2に土地勘、3に物価・相場感。

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もうちょっとゲテ物があるかな、と思ったけど、案外普通だった。

続いて夜のマーケット。廟街。

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外国人観光客向けに、いろんな横流し品を並べている感じだった。
土産物探しにはちょうどいいかもしれないけど、特に欲しいものもなかった。

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ウォン・カーウァイの映画「天使の涙」でもおなじみのアイスクリームカー。

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中環からバスで40分くらい。香港島の南側の海岸に赤柱Stanleyという観光地がある。

iphoneのマップを見てみたらちゃんとGPSが認識してくれた。便利だねえ。

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欧米人向けのリゾートを意識した観光地になっている。
海を向いてホテルが立ち並び、ホテルの1Fではオープンテラスのパブがあり、昼間っから白人がビールを飲みながらおしゃべりしている感じ。
クロアチアとかでよく見かけた風景。

海沿いにある公園も、意外なほど整備されていて、ちょっと感心した。

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赤柱にあった本屋さん。
この書棚がナナメってる感じがすごくいいと思う。日本の書店も真似するといいのに。

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村上春樹の本の背文字は「Murakami」のみ。
海外でMurakamiと言えば村上春樹。村上龍でも村上ファンドでもない。

村上隆は海外でも知名度がありそうに見えるけど、どうなのかな。

円高で安かったら世界の終りとハードボイルドワンダーランドでも買おうかな、と思ったけど、1500円くらいしたのでやめた。
日本のamazonで買うほうが安い。

Hard-boiled Wonderland and the End of the World
Haruki Murakami
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香港で仕事をしている友人と飲茶。

「香港に住んでていいなと思うところと嫌だなと思うところを教えて」と聞いてみた。

<いいとこ>

・合理的。話が早い。
めんどくさいことは抜きに、はいあなたが欲しいのはこれでしょ、結論ドン、
という感じで話が決まっていき、あながち間違っていない。
ただ、アカデミックではない。いくつもの事実や背景を組み合わせてロジカルに導くというより、
結論これ、理由1行、という感じ。
でも損得勘定の計算が極めて正確なのでだいたいうまくいく。

・子供にやさしい
みんな子供好き。妊婦が電車に乗ればどんなに混んでいてもすぐに席を譲るし、
赤ちゃんを見るとすぐにあやしてくれる。レストランもどこでも入れるし、
ベビー用の椅子や遊び場も用意されている。子育てには非常に良い環境。

・モチベーションが上がる
香港のビジネスマンは英語、広東語、北京語のトリリンガルが当たり前だし、
それに加えて日本語も良く勉強している。
経済も成長しているので、意識が高く、飲みにもいかずに同僚はみんな良く勉強している。仕事熱心。
自分も負けていられないなと思っていろいろがんばるようになるので、いい刺激になっている。

・日本人にやさしい
肌の色も見た目も同じなので、気が楽。変な差別もない。
香港人は、日本人に対しては概ね好意的。

<いやなとこ>

・うるさい
とにかくうるさい。声がでかい。やかましい。
夜中まで階上がドシドシ音がする。夜12時過ぎてもピアノの練習をする。
でもまあみんなうるさいからレストランに赤ちゃんがいても誰も気にしないので、良い面とウラオモテの関係。

・いろいろ過剰
冷房ききすぎ。ネオン明るすぎ。

・水回りがいまいち
天井や壁から水が漏れる。業者に修理を頼んでも約束の時間に来ない。
それでも70年代のころは断水で3日も水が出ないのもザラだったそうなので、
それに比べればマシかもしれないが。
水回りは何かと未整備だったり不衛生だったりが気になる。

なるほどなるほどという感じ。
現地の人の言葉はとても勉強になる。
夏の暑さや雨の多さはすぐ慣れたそう。

全体としてはとても気に入っていて、このまま住めるものならずっと住んでもいい、とのこと。
そう思えるのってなかなかたいしたものだと思う。
ちなみに7年住むと、パーマネントビザがもらえて、何かと暮らしやすくなるとのこと。

でもグローバルな仕事だと、普通に昼間働いて、家帰って一息ついたところで
ロンドンからいろいろ問い合わせが入って、そろそろ寝るかというときに
ニューヨークからいろいろ問い合わせが入って、結局2時3時まで対応して、
寝て朝起きたらどっさりメールが来ていて、ときどき夜11時や朝8時のテレビ会議もあったりして、
そういうのって結構しんどいよね。とのことだった。たしかにしんどそう。株と一緒だ。
でもまあ今後そういう感じは濃厚になる一方なんだと思う。

話を聞いて、香港の好感度はますますアップ。
いつか住んでみてもいいところリストの1つに入れておきます。

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マカオはもうだいたい回った気がするので、香港に帰ることにする。
余ったパタカはカジノで香港ドルに両替。マカオで一番率の良い両替屋はカジノのキャッシャー。
パタカはマカオ以外では両替できないので、マカオを出る前に両替しておくのがポイント。

リスボアホテルの宿泊客のフリをして、リスボアホテルの地下から出るフリーシャトルバスに乗って、フェリー乗り場へ。
13:30にチケットを買ったら13:45出発の船だった。おいおい。出国手続きがあるのに。
まあそれだけ出国手続きが形骸化しているということ。いっそなくせばいいのに。

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フェリーターミナルにあった吉野家の求人情報。
たぶん時給28HKDという意味。時給308円か。東京だと800円はもらえると思うから、半額弱だね。
まあ食費が半額で済むなら時給も半額で、ということ。
もうひとこえ行きたいとこですね。

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香港に戻って、宿を探す。マカオのイカれた感じに少し頭をやられていたので、香港に来るといろいろまともでホッとする。
重慶大厦(チョンキンマンション)というところが世界的に有名な安宿ということなので、そこに行ってみた。
尖沙咀(チムシャツイ)という駅のすぐ前。尖沙咀は九龍の中心地で、東京でいう新宿のようなところ。
宿を替えるのもめんどくさいので、残りの日々、ここに4泊することにした。
ウォン・カーウァイの映画「恋する惑星」の原題は「重慶森林(Chungking Express)」。重慶大厦が舞台になっている。

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1Fのエレベーター前はこんな感じ。たくさんの安宿が密集している。
地球の歩き方によると,重慶招待所というところが無難そうなのでそこにした。

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1泊350HKD。バスルームつき。WIFIもつながる。清潔でいい感じ。

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窓からの風景。何がなんだか(笑)。
中央酒店同様、重慶マンションも外の壁を工事していて、仮組みしか見えない。

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これが重慶マンションの平面図。何がなんだか(笑)

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重慶マンションの非常階段から裏口に出たところ。AKIRAですな。

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夜の重慶マンション。入り口には率のいい両替商がたくさん。インド人がやっててNo comission(手数料無料)の表示がある店がオススメ。

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シャッタースピードを長めに。

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シャッタースピードを長めにして光を集めた場合。

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ISO感度を上げて光を集めた場合。

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世界遺産も一通り巡って、もう帰って寝るか、と思ったとき、そういやマカオと言えばカジノだな、と思った。

沢木耕太郎の深夜特急の第1巻は、香港とマカオが舞台になっていて、今回の旅程にドンピシャ。
あらためて読み返したところ、文庫本1冊のうち半分はマカオのカジノの話に費やされている。

深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)
沢木 耕太郎
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僕は基本的にギャンブルには手を出さないと決めていて、競馬もパチンコもスロットもしないのですが、まあ、せっかくマカオにいるんだし、1回くらい話のタネにやってもいいか、と思った。

でも東海岸の白人が多そうなきらびやかなカジノに行くのも気が引けたので、西海岸のやや地味な位置にあるポンテ16というカジノに行った。
ちなみにここにはマイケル・ジャクソン博物館もある。やっつけの思いつきで作った感じがなかなか良いです。

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ポンテ16の入り口。えーと、何ですか?これは?という感じ。

正面入り口から入るとそこはカジノ。カジノの中は写真撮影禁止だったので写真はないです。
欲望だけが渦巻く不夜城。ノンストップ24時間営業。フリードリンク。
白人ゼロ。全員中国人。30くらいのテーブルが並び、そこかしこで怒鳴り声が聞こえる。恐い。

ATMでパタカを引き出す。ここで引き出した額を全部すったら終りにしようと決めた。
いくらにしようかなあ。1万円?2万円?10万円? うーん・・・と10分くらい考えた末、5000円分だけ引き出した。500パタカ。

・・・小さい。小者だ。
あとで思ったけど、ここでいくら引き出すかがどれだけの額勝つかを左右する。
まあ、ギャンブルするの初めてだし。

500パタカをキャッシャーに持って行き、チップに交換してもらう。
最初100パタカチップ5枚を渡されたけど、50パタカチップ10枚にくずしてもらった。
こういうところも小さい。いちいち小さい。

沢木が夢中になったのは、3つのサイコロを転がしてその合計値が4-10か、11-17かを当てる大小というゲーム。
大きいか、小さいか、だから大小。
サイコロのどの目が出るかとか、合計値がいくつかとかを指定することもできて、そういうのは倍率が高くなる。
ルールがわかりやすい初心者向けゲーム。
http://www.macauguide.jp/play_daishou.php

さっそく大小のテーブルをさがすけれど、なかなか見つからない。
ちなみにカジノで最もポピュラーなゲームはバカラ。胴元の取り分が少ないので、カジノマニアはだいたいバカラ一本で攻める。
バカラのテーブルは一番多い。

大小は初心者向けなのであまりない。3フロア分かれたカジノで、1Fに3箇所、2Fに1箇所。
1Fは中国人が盛り上がり過ぎててドン引きだったので、比較的おとなしい2Fで様子を見ていた。

大小の結果はボードに表れる。大大小小大大大小大・・・
ときどきゾロ目が入る。ゾロ目は胴元の取り分になる。
沢木が使ったテクニックは4つくらいあるけれど、そのほとんどがボードの電動化により使えなくなっていた。
仕方がないので単に確率的に不自然かな、というところだけ入れていった。まあ、ぶっちゃけジャンケンみたいなものです。

一時は1000円まで減って泣きそうになったけど、徐々に取り戻した。
取り戻すと気が大きくなって、たくさん賭けたくなるんだけど、そうすると負けたりする。
負けると悔しくなってまたたくさん賭けたくなるんだけど、そうすると負けたりする。
ああもう嫌になっちゃったなあ、とぶっきらぼうに賭けると勝ったりする。
これは行けるだろ、と思って確信を持って賭けて、予想通り勝つと僕って天才!と思ったりする。

そんな感じで増えたり減ったりして、結局5000円が12000円になったところでやめにした。

同じ確率なら5万が12万になったかもしれないし、50万が120万になったかもしれないし、
と妄想が広がったけれど、所詮僕はこの程度のタマですよ。5000円しか引き出さなかったところで勝負は決まっているんですよ、えぇ、えぇ。
小さく始めて大きく育てるなんてウソだね。大きく始めた奴だけが大きく勝てるんだよ、世の中ってそういうもんなんだよ、えぇ、えぇ。
人間のスケールって、そういうことなんだよ。

まあ初めてにしては手堅く逃げ切ったと思う。
これでマカオのホテル代はチャラ。そう考えると気持ちいい。
帰り道にカフェに寄ってビールを飲んだ。いつになくおいしかった。

ちなみに、ホテルリスボアの1Fもカジノ。入り口の内装はこんな感じ。
なんかこういうの、マルサの女に出てきた新興宗教の施設にあったような気がする。

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マカオはつくづく変な所だった。

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聖ラザロ教会。マカオの街はだいたいごちゃごちゃした中国人街だけど、聖ラザロ教会の周辺は最近いろいろ手を入れて、シックな雰囲気になっている。

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でもなんかこういうシックなストリートは活気がないんだよね。たぶんこういうのは欧米人の観光客受けはいいけど、マカオの住民が求めているものではないんだよね。マーケティング不足の行政主導な観光地という感じ。

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で、じゃあマカオの地元民が好きなのってどういう感じだよ、というと、こういう感じ。

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えーと、いや、まあいいんですけどね。

まあ、マカオってこういう場所ですよ。

暇そうな高齢者がうじゃうじゃと街に出て適当に時間をつぶしています。

申し訳のように残る表層的な歴史建築、放置された廃墟、暇そうな高齢者、深刻な財政難、遠慮ない外資の流入、退廃的な娯楽、地元産業の衰退、拡大する一方の貧富の差、押し寄せる中国人観光客。
なんか本当に10年後の東京を見ている気分になるです。やれやれ。

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