日本式モノづくりの敗戦―なぜ米中企業に勝てなくなったのか
東洋経済新報社 (2013-02-08)
売り上げランキング: 10,942

野口悠紀雄のkindle本なので読んでみた。
日本の電機・自動車メーカーがいかにして苦境に立っているかを中国・米国を引き合いに出しながらあれこれと問題提起をしている。

東洋経済の連載を再編集したもので、トピックがもりだくさんすぎて、1冊通しで読むのはちょっとしんどい感じもする。
メーカーに興味のある人はいろいろと思うところ満載だとは思うけど、残念ながら僕はあまりメーカーに興味がない。

書きっぷりは、基本的に現在の温存体制は一度壊して市場の評価に晒してしまおう、という感じでなかなか手厳しい。
でもまあ実際事実だと思う。利幅の少ないメーカーを延命治療するのは税金の無駄遣い。

新興国市場が勃興すると言っても、新興国に市場を拡大したところで、売上高は上がるかもしれないけど、利益の少ない価格競争に巻き込まれて疲弊するだけだろう、というのももっともな指摘。
新興国はとにかく人口が多いので、見かけの数字を増やすのには使えるかもしれないけれど、実際どれだけ利益に貢献するかというと疑わしい。

フィリピンにいても、まあ確かに若年人口は多く、消費意欲も旺盛で、貪欲で仕事熱心な若者で溢れ返ってはいるのだけれども、いかんせん物価と賃金が安いので、どれだけビジネスが好調でも、日本円にしてみたらたったこんだけ。。。というのは容易に想像がつく。その上最近円安だし。

やっぱり円高の方が国力があるように感じる。

新興国市場はここ最近だいぶ不安定。向こう3,4年は難しい状況が続くような気がする。

image01

バフェット銘柄の内訳を調べてみた。

こちらのサイトと、マネックス証券のサイトに一通り載っていたので、合成してみた。

image02

1 WFC / WELLS FARGO & CO NEW 20.79% 金融
サンフランシスコに本部を置き、西部を地盤とする銀行。2008年には米大手銀行ワコビアを買収
2 KO / COCA COLA CO 16.46% 消費財
炭酸飲料、コーヒー、お茶などの製造販売
3 IBM / INTERNATIONAL BUSINESS MACHS 13.70% その他
コンピューター関連のサービス提供
4 AXP / AMERICAN EXPRESS CO 12.44% 金融
クレジットカード、トラベラーズチェック、旅行代理店業など旅行関連業務
5 PG / PROCTER & GAMBLE CO 4.33% 消費財
世界最大の消費財メーカー
6 WMT / WAL MART STORES INC 3.95% 消費財
世界最大のスーパーマーケットチェーン
7 XOM / EXXON MOBIL CORP 3.74% エネルギー
石油化学製品の製造から販売まで手がける世界最大の民間石油会社
8 USB / US BANCORP DEL 3.14% 金融
総合金融会社。預金と貸付サービス、資金管理、外為業務、信託、投資運用サービスなど
9 DTV / DIRECTV 2.37% メディア
北米・中南米で娯楽番組の提供を手がけるデジタルテレビ会社
10 DVA / DAVITA HEALTHCARE PARTNERS I 1.94% その他
腎臓治療用の透析治療サービス
11 MCO / MOODYS CORP 1.90% 金融
世界で最も歴史のある、企業の信用情報等の格付け機関
12 PSX / PHILLIPS 66 1.70% エネルギー
石油の生成、販売、輸送などを行う
13 GM / GENERAL MTRS CO 1.56% その他
グローバルに自動車の製造や販売を展開
14 WPO / WASHINGTON POST CO 1.14% メディア
テレビ放送のほか、教育事業も展開。グラハムホールディングス
15 COP / CONOCOPHILLIPS 1.02% エネルギー
原油、天然ガス等の探査、生産、輸送、販売を手がける
16 LMCA / LIBERTY MEDIA CORP DELAWARE 0.89% メディア
メディア投資会社
17 BK / BANK OF NEW YORK MELLON CORP 0.80% 金融
個人の富裕層や法人向けに投資管理と投資サービスを提供
18 NOV / NATIONAL OILWELL VARCO INC 0.75% エネルギー
上流石油ガス業界向けに発掘や生産に使う機器を販売
19 CBI / CHICAGO BRIDGE & IRON CO N V 0.70% エネルギー
石油・ガスやその他インフラ関連産業向けに建設エンジニアリングサービスを展開
20 SU / SUNCOR ENERGY INC NEW 0.70% エネルギー
カナダの総合エネルギー企業でオイルサンド、天然ガス等の探査、生産に注力
21 VIA-B / VIACOM INC NEW 0.69% メディア
テレビ、映画、ゲームなどに向けたエンターテイメントコンテンツの提供
22 MTB / M & T BK CORP 0.65% 金融
商業銀行業務、信託業務、投資サービス等を手がける銀行
23 VRSN / VERISIGN INC 0.60% その他
インターネット・インフラ・サービスの提供
24 COST / COSTCO WHSL CORP NEW 0.54% 消費財
世界各国で会員制ディスカウントストアを展開
25 USG / U S G CORP 0.53% その他
建築資材の製造・販売
26 PCP / PRECISION CASTPARTS CORP 0.48% その他
航空宇宙産業用装置の製造
27 WBC / WABCO HLDGS INC 0.37% その他
トラック等に向けた車両制御システムの提供
28 DE / DEERE & CO 0.35% その他
農業や建設用の重機等の製造
29 TMK / TORCHMARK CORP 0.33% 金融
生命保険、健康保険、年金関連事業など
30 V / VISA INC 0.32% 金融
グローバルにクレジットカード等の決済事業
31 MA / MASTERCARD INC 0.29% 金融
グローバルにクレジットカード等の決済事業
32 SNY / SANOFI 0.21% その他
循環器疾患等に向けた薬剤の研究開発や製造
33 STRZA / STARZ 0.17% メディア
有料テレビチャンネルの配信や海外へのコンテンツ配信を手がける
34 VRSK / VERISK ANALYTICS INC 0.11% その他
保険に関するリスクデータを損害保険会社に販売
35 MEG / MEDIA GEN INC 0.07% メディア
米国南東部を中心に新聞やテレビ局などメディア関連事業を複合的に手がける
36 JNJ / JOHNSON & JOHNSON 0.03% 消費財
ヘルスケア関連製品を世界各地で販売
37 DISH / DISH NETWORK CORP 0.02% メディア
米国で有料テレビサービスを提供
38 MDLZ / MONDELEZ INTL INC 0.01% 消費財
菓子、チーズ等を世界各地で販売
39 GSK / GLAXOSMITHKLINE PLC 0.01% その他
ワクチンや市販薬などを開発・販売する医薬品メーカー
40 GE / GENERAL ELECTRIC CO 0.01% その他
電気機器や軍用機器等の製造・販売
41 KRFT / KRAFT FOODS GROUP INC 0.01% 消費財
加工食品を製造し主に北米で販売
42 UPS / UNITED PARCEL SERVICE INC 0.00% その他
米国や海外で貨物輸送サービスを提供
43 LEE / LEE ENTERPRISES INC 0.00% メディア
自社で新聞や各種出版物の提供を手がけながら他の新聞社にも投資

まあ、本当にバフェットをリスペクトするなら、バークシャーを1本買ってしまえば済むのだけれども。

image01

金融 40%
消費財 25%
エネルギー 9%
メディア 5%
その他 20%

消費財の割合が大きいところがポイントだと思う。
今後、新興国の中間層が増えていくと、消費財、エネルギー、インフラの売上がかなりのインパクトになっていくのだろう。
人口が増えるにしたがって増える業種。

メーカーの割合が少ないのもポイントだと思う。
メーカーは利幅が少なく不安定で割に合わない産業ということなんじゃないかと思う。
自動車メーカーと電機メーカーが主力の日本には耳の痛い話だけれども、
実際世の中の潮流はそんな感じなんだろう。

MarketHack流 世界一わかりやすい米国式投資の技法
広瀬 隆雄
東洋経済新報社
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時代を生きる力
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高城 剛
マガジンハウス
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高城剛が震災直後の2011年6月に出版した本。
kindleで出ていたので読んでみた。
震災がらみの話が多くてちょっと辟易してしまうところもあったけど。

コージェネレーションについては僕もちょっと試してみたいところだった。
前に太陽パネルを見積りしたときは100万くらいかかる話で見送ってしまったけど、
もう一度調べてみようかな、と思った。

メルマガもまんまと購読開始してしまった。

loc1565
どこかに置いてきた個人の自由と責任を各々がもう一度取り戻さねばなりません。

そして、依存せず確立した個を持ち、その上で信頼にたる仲間を増やさねばなりません。
その信頼にたる仲間は、SNSのような稀薄な関係ではなく、本当のご縁のようなものなんだと思います。だからこそ、その縁を見逃さないために、自分としっかり対話できているかが問われるのです。そして気をつけねばならないのは、個の確立の前に「つながり」を重視すると、相互依存や自分探しに陥りがちです。他人とのつながりで、個を形成しよう、自分を探そうとするのです。

だから今後は、「つながること」をまず重視した相互依存した集団と、確立した個人の集団の、似たようで非なる集団に惑わされることにもなるでしょう。

前者は、実は深層で古い既存の価値観やルールに執着しており、目の前で起きている現実の一部だけを取り上げ、自分たちの偏った世界を作り上げる病的なポジティブさを持っています。

現実を冷静に見ずに、皆で励まし合い、無理に明るく振るまうこの病的ポジティブが、サブプライム危機を引き起こしたことは、いまは一般的に言われるようになりました。

一方、後者は現実を素直に受け入れ、あたらしい価値観とルールをはじめるような人々なのです。そして、確立した個人の場合は、いままでにないアイデアをなにより大切にしていこうとする柔らかい人たちです。「つながる」のは他者ではなく、自分の心だとわかっている人たちです。

loc 1604
このように生活はハイブリッドで多面的になりますが、一番大切だと僕が考えていることは、20世紀に分断させたれていた頭と心、右脳と左脳を統合することです。

なぜなら、いまの社会はどこか間違っている、と思っていても、その狭間をごまかすために物欲などで満たしてきて、右脳と左脳を分断していたからです。心や直感のようなものと、頭で考え抜いた効率性の追求の狭間を、物欲や適当な娯楽、本当はいらない情報などで埋めてごまかしていたからです。

今後の社会はこのふたつの衝突がますます激しくなるでしょう。だから個人は、右でも左でもなく、この統合にこそ21世紀を生き抜く鍵があると僕は思います。

外的なものは、分散を経て共有へ。
内的なものは、統合されるべきなのです。
20世紀の自分と決別して。

それが、21世紀の生き方なんだと思います。

最近ちょっとフェイスブックがめんどくさくなっていたところにフィットした。

まぐまぐのメルマガでホリエモンとのインタビューで、「僕は圏外にいるし、圏外の方が楽だし楽しいし」と繰り返していたのも、なんかわかる気がする。

セブにいると、ここは圏外だなあと思う。

21世紀の英会話
21世紀の英会話

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高城 剛
マガジンハウス
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高城剛がスカイプ英会話とセブ英語留学を煽る本。
セブに来てから読むのもなんだけども、ちょっと自分を客観的に見てみたくて読んでみた。
だいたいどこかで聞いたことのある話ばかりだったけど、セブ英語留学に興味のある人がとっかかりとして読む分には良い本だと思う。

白本
白本

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(2013-12-24)
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高城剛のメルマガを再編集した本。
書いてあることはなかなかおもしろいけど、ちょっと短いかなあ。
まあ280円ならこんなものなのかもしれないけど。
まあ内容はなかなか良いです。

最近は毎日、午前中英語のレッスンのあと、午後は空き時間で、前はわりとちゃんと勉強していたんだけど、ここんとこちょっと息切れ気味で、もっぱらカフェで読書。

前みたいにきちんと抜き書きする気力もなく、かといってどこかに書いておかないと読んだことも忘れてしまいそうなので、いちおうメモ。

ここんとこ本は全部kindleで読んでいる。
紙の本もいろいろ持ってきたんだけど、重くて手に取る気が起きず。。。
この世の本が全部kindle化してくれることを切に願います。

Kindle Paperwhite(ニューモデル)
Amazon (2013-10-22)
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kindleの新しい方のpaperwhiteを買うか迷い中。。。2012モデルはちょっと反応の遅さが気になるときがあるので。

でもぜんぜん壊れてないし、2014モデルの登場まで粘るかなあ。。。

20歳を過ぎてから英語を学ぼうと決めた人たちへ
Hiroyuki Hal Shibata
ディスカヴァー・トゥエンティワン
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ひょんなことでサウスピークの見学に行って、なかなかよさそうだったので、本も読んでみた。
TOEIC高得点を主眼に置いた、オーソドックスな英語の学習法についての本。
ふむふむ、やっぱりねー、そうだよねー、という感じだった。

結局英語力というのは、文法と発音にもとづく語彙と短文の集積で、コツコツコツコツやるしかないんだろうなあ、と思う。

MarketHack流 世界一わかりやすい米国式投資の技法
広瀬 隆雄
東洋経済新報社
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マーケットハックのサイトは情報量が多過ぎてつまみ食い的にしか読めない。
というクレームがあったのかどうかしらないけど、
そんなマーケットハックのエッセンスだけをギュッと集めたような本。

まあ、なかなかいいんじゃないですかね。
なるほどー、そっかー、と感心する部分は多かったです。
とくに表のところが良かった。あと各市場の見通しのところも。

全部真に受けなくていいと思うけど、考え方の参考にはなる。
こういう感じのバフェット本があるといいと思うんだけど。

金融機関がぜったい教えたくない 年利15%でふやす資産運用術
竹川 美奈子
かんき出版 (2013-01-09)
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確定拠出年金の活用法についての懇切丁寧なガイド。
確定拠出年金はわかりにくいので、こういう本はとてもいいと思う。

だからと言ってじゃあ確定拠出年金をするかと言うと、なかなか年間管理費用と、若干割高の信託報酬が気になって二の足を踏む。
国民年金基金の方が無難な気がする。
でもまあ将来インフレになるかもと考えると、やっぱり確定拠出年金なのかなあ。

弱い日本の強い円 (日経プレミアシリーズ)
佐々木 融
日本経済新聞出版社
売り上げランキング: 93,731

為替市場が概観できる本。
為替というのは株式や債券に比べてなんだかよくわからないのであまり深く考えないようにしていたんだけど、
これを読んでみて、やっぱりよくわからないし、考え始めるとなると考慮しないといけない要素が多すぎて大変なので、あまり深く考えないでいるのが得策だろう、という結論になった。

内容としてはとても誠実で筆者の真摯さが伝わる良書だと思います。

ウォーレン・バフェット 成功の名語録 (PHPビジネス新書)
桑原 晃弥
PHP研究所
売り上げランキング: 57,391

バフェットのことをもうちょっと知ってみたくて読んでみた。

ソロモンの建て直しとか、へー、そんなことがあったんだねえ、と思うところはちょこちょことあったけど、ちょっと内容が薄いかなあ。。。
わりとバフェットの人間の厚さのようなところに重点を置いていて、
具体的な投資テクニックのところまで突っ込んでいないのが物足りない。

バフェットで検索すると、同じ著者の本がたくさん出てくるけど、なんかどれも似たり寄ったりなような気がしていまいち触手が動かない。

偉人然としたキャラ設定をするから、内容がプラクティカルになりづらくなっちゃってると思うんだよね。

冒険投資家ジム・ロジャーズのストリート・スマート  市場の英知で時代を読み解く
ジム・ロジャーズ Jim Rogers
ソフトバンククリエイティブ
売り上げランキング: 3,044

世界旅行のあとに、子どもができて、子どもの教育のためにニューヨークからシンガポールに引っ越したジム・ロジャーズ。
自伝のような感じで半生と今後の展望をあれこれ語る。

いろんなトピックがわりと脈絡なく並んでいて、もうちょっとうまくまとめられたんじゃないのかな、という気がしなくもない。

でもまあ全体として、ジム・ロジャーズって立派な人だなあ、と感心する。

ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく
堀江 貴文
ダイヤモンド社
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ホリエモンの半生についての本。コンプレックスのディテールまで書かれているところが画期的という評判。
ヒッチハイクのくだりがおもしろかった。
サブタイトルにもなっている「なにもない自分に小さなイチを足していく」というのは、まさにそうだなあ、と思う。
いきなり掛け算をするのではなくて、まず足し算からはじめる、というのはとても順当な考え方だと思う。

昔の自分を振り返ってみると、土台のところをちゃんと意識しないまま、マズローのピラミッドの頂点のところのかなり細かい部分にいきなり執拗なこだわりを持とうとするようなところがあったような気がする。
それに対して、最近は、土台のところの整備を常に意識しつつ、そこから上は運任せであまりこだわらない。
いずれにしてもちょっと極端なんだけど、まあ今の感じはそんなに悪くないと思っている。

ロスト・インタビュー スティーブ・ジョブズ 1995
講談社
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ジョブズの95年のインタビュー。
本気で歴史を塗り替えて未来を作ろうとしているのがひしひしと伝わる。
ははあー、ほほおー、と感心するばかり。
クリエイティブ(創造的)というのはこういうことを言うんだろう。

自分を振り返ると、前はもうちょっとクリエイティビティのようなものを意識していた気がするんだけど、
最近は、既存の仕組みのハッキングのようなことをひたすら繰り返しているだけで、
まあこれはこれでいいんだけど、ずっとこんな調子でもなんだかな、という気もする。
自己満足レベルでいいので、もうちょっとクリエイティビティとか貢献性のようなものを意識できるようにしたほうがモチベーションが上がるんだろうなという気はしている。

Rich Dad Poor Dad: What the Rich Teach Their Kids About Money--That the Poor and Middle Class Do Not!
Robert T. Kiyosaki
Plata Publishing
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2000年頃のベストセラー、「金持ち父さん、貧乏父さん」の原書を英語で読んでみた。
訳書の方はブックオフで買って、パラパラとめくっただけでちゃんと読んでいなかったんだけど、
あらためて英語で読んでみたら、とても良い本だった。
いやー、この人いいこと言うなあ、と感心するばかり。

でもまあasset組めって言われたって困ってしまう人がほとんどだと思われるけれども。

でもまあasset組めって言われると困る人はほとんどである一方、マンションは買っちゃう人は結構多いので、そういう人たちに、「おいおい、ちょっとそれの意味わかってんの?」と警鐘を鳴らすという意味で意義があるんだと思う。

「すごい」「最悪」に相当する形容詞と副詞のバリエーションがすさまじく、知らない単語で立ち止まることが多かった。
でもkindleで読むと、単語長押しで辞書が起動して、意味がすぐわかるので助かる。
洋書を読むならkindleがいい。

まともなペーパーバックを完読したのは初めてのような気がする。達成感。
この調子でもっといろいろ読みたい。

フィリピンに生きる困窮邦人を描いたドキュメント。

フィリピン人のあっけらかんとした明るさと優しさと貧しさと割り切りの良さに「あーわかるわかる」と思うところも多々ある反面、
つまらないプライドと虚言癖に堕落した日本人のどうしようもなさが痛々しく、なんとも微妙な気分になる。

僕も一歩間違えればこんな風になってしまう可能性も無いわけではないので、
十分気をつけておきたい。

しかしまあこの本に紹介されているようなだらしない人間でもどうにかなってしまうのがフィリピンという国の奥深さでもあり、
一種の魔性でもあり、
それがフィリピンに対する一般的なイメージをいくぶん怪しげなものとしている一方で、
フィリピンのノリを良しとしてしまえばこんなに楽で住みやすい国もない、となってしまったりもする。

ただ日本に帰れさえすればいいというものでもないし、
何が良いとも悪いとも言えず、むにゃむにゃとした気分になるアメリカン・ニューシネマ・テイストな一冊。

参考記事
[橘玲の世界投資見聞録]フィリピン・マニラの”困窮日本人”はいかにして生まれるのか?

経済危機のルーツ
経済危機のルーツ

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東洋経済新報社 (2013-05-02)
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現在の世界経済の仕組みが70年代に形作られたことをもとにして、石油ショック、80年代、90年代、2000年代、リーマンショック(2009年)の各国の変化を見る。
大きく分けて、アメリカ・イギリスが勝ち組、日本・ドイツが負け組、ソ連(ロシア)・中国がゲームチェンジャー。

産業が、製造業→IT・金融 と変化していく。
ITの肝は、高速定額の常時接続と分業。
金融の肝は、証券化、オプション、CDS。

アメリカとイギリスはその波に乗れて、90年代に繁栄、2000年代にバブルになって、リーマンショックで崩壊。でもわりとすぐ立ち直る。
日本とドイツはその波に乗れず、中国に株を奪われ、リーマンショックでさらにとどめをさされ、その後の立ち直りも厳しい。

アイルランドは英語を武器にIT・金融のトレンドをうまく取り込み躍進。

というような内容。

なるほどー、そっかー、といろいろハラオチする。
今まで読んだいくつものリーマンショック解説本の中で一番納得度が高かった。
現代の世界経済を考える際の必読書だと思う。

no.1333
このように、伝統的な国際金融市場とは異なる、国の枠を超えた新しい国際金融市場が、70年代に成長したのである。これは、国の規制や金融政策の影響を受けにくい市場である。それがブレトンウッズ体制を崩壊させ、石油ショックを引き起こし、さらに変動相場制への移行を不可避なものにしたと考えることができる。

no.1402
全体主義的・集権的体制は、新しい情報技術の下では効率が下がるだけでなく、生き延びることすらできない。社会主義国家の崩壊は情報技術の転換とほぼ同時期に起こっているのだが、これは偶然ではなく、必然だった。ソ連の崩壊は、情報技術の変化がもたらした必然の結果だ(このように、分散的情報処理システムは、市場経済を前提としている。日本が90年代のIT革命に完全に対応することができなかったのも、ここに基本的な原因がある)。

no.1526
サッチャーが行った改革は、具体的には、国営企業の民営化、規制緩和(特に金融業)、税制における所得再分配機能の緩和(所得税率の累進性緩和、フラット税率の採用)である。抽象的に言えば、「大きな政府」「福祉国家」「ケインズ主義」の見直し、ないしは否定である。
・・・
サッチャーが目的としたのは、既得権に守られた国内産業を支援することでなく、むしろそれらを排除し、競争力のある効率的な産業を育てることだった。重要なのは企業の国籍ではなく、企業のビジネスモデルであり、その遂行能力であるとされたのだ。こうしてイギリスの金融業は活性化した。

no.1983
ソ連崩壊後のロシアにおける民営化とは、政府高官による国有資産の私物化にほかならなかったのである。要するに、国の財産を盗んだわけだ。盗みの対象は、石油、ガス、鉱物、貴金属、パイプライン等などである。それを防ぐ法律も規制も存在しなかった。それによって、「オリガーキー」と呼ばれる新興財閥が誕生した。

no.3076
中国の工業化という大きな経済条件の変化に対して最も重要なのは「中国ができない高度の経済活動」に特化していくことである。アメリカ経済の変貌は、まさにそうした方向に合致したものであった。

no.3177
こうして、日本や中国からの低いコストでの黒字環流が、アメリカ国内のバブルを引き起こしたのである。アメリカの不動産バブルの原因は、アメリカの側にあるのではなく、アジアの貯蓄過剰が問題なのだと言う人が、現FRB議長のバーナンキなどのアメリカの経済学者には多い。

no.3317
現在のイギリスの金融活動は、オイルマネーに深く関連している。そのメカニズムをマクロ的に見ると、つぎのようになる。
産油国は、アメリカに原油を売って対米黒字を実現する。その額は07年で約1281億ドルだ。このオイルマネーを直接にアメリカに環流させるのではなく、EUの金融機関に持ち込む。そして、それらの金融機関がアメリカに投資する。

no.3509
トーマス・フリードマンは、ニューヨーク・タイムズのコラムで、「アイルランドの教訓はきわめてシンプルだ」とし、「高校と大学の授業料をゼロにせよ。法人税制を簡素化・透明化し、税率を引き下げよ。外国企業に門戸を開け。経済をオープンにせよ」などと列挙した末に、「英語を話せ」としている。

21世紀型のグローバリゼーションは、資本と人的資源のダイナミックな移動にある。

アイルランドの成功例は、フィリピンの今の状況と類似点が多いと思うんだけど、フィリピンもアイルランド並に発展するのだろうか。

「超」英語法 (講談社文庫)
野口 悠紀雄
講談社
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before sunriseのスクリプトをもう10回くらい通読したけれど、やっぱりどうもイーサン・ホークのパートの速さになかなかシャドウイングがついていけない。どうしたもんかな、と思いつつ、気分転換に野口悠紀雄の超英語法を読み直したら、子音の消失についていろいろと書いてあって、ああなるほどこれのせいか、と思った。やっぱり問題意識が自分の中に出てこないと、なかなか身にしみない。頭に入れておきたいので、書き写しておく。

A 子音の消失
1)破裂音b,d,g,k,p,tが語尾に来る場合、消失してサイレントになる

・bの消失
cab キャッ
club クラッ
job ジョッ

・dの消失
attend アテン
bond ボン
end エン

・gの消失
darling ダーリン
doing ドゥイン
evening イーヴニン

・kの消失
back バッ
bank バン
clerk クラー

・pの消失
cup カッ
deep ディー
europe ユアラッ

・tの消失
alert アラー
bright ブライ
brought ブロー

・2語で連続して子音が落ちる場合には、慣れないと聞き取れない
best friend ベスフレン
big board ビッボー
catch up キャッチャ
girl friend ギャーフレン
pump up パンパッ
right side ライサイ

・andは弱いときには「アン」となり、つぎのように1つのまとまった単語として発音される場合が多い
beck and call ベックンコー 意のままになること
bread and butter ブレッドンバラ
cup and saucer カッパンソーサ
ham and eggs ハマンネッグズ

2)同系統の子音の連結
・同じ子音や同系統の子音が繋がる場合には、落ちて同化する
bake cake ベイケイ
can’t stand キャーンスタン
could do クッドゥー
could hear クッヒア
didn’t mean ディドゥンミーン

・違う系統の子音でも、連続すると、落ちる
beside me ビサイミー
hand me ハンミー
lend me レンミー
send me センミー

3)「暗いエル」は聞こえない

末尾のal
dental デントウ
federal フェデロ
final ファイノー
financial フィナショー

末尾のl
boil ボイ ボイユ
fill フィユ
gale ゲイ ゲイユ

coal コー
cool コー
feel フィー フィーユ

末尾のll
call コー
hall ホー
mall モー

末尾のul
awful オーフォー
faithful フェイスフ
full フ フォー

末尾のle
able エイボ
attainable アテイナボ
audible オーディボ

・同じ系統の子音が繋がる場合には、落ちて同化する
all right オーライ
rail road レイロー

B t,d音の変化

1)tやdが母音に挟まれる場合、rに聞こえる(flap)

・単語でそうなる場合
better ベラ
bitter ビラ
butter バラ

battle バルル
bottle バロ
cattle カルル

beautiful ビューリホ
exciting エクサイリン
battery バレリ

2)後に来る単語との関係でtがrに聞こえる

at a アラ
but a バラ
right away ライラウェイ

bit of ビロ
bit off ビロ
cut it out カッリラウ

but it バリッ
Could I? クライ?
it is イリーズ

3)tがdと聞こえる場合もある

bottle バド
bottom バドム
Italy イダリ
letter レダ

4)語の途中にあるtやdがサイレントになる

appointment アポインメン
center セナ
fantastic ファナスティック
gentle ジェヌル

C 子音+母音になる場合に、連結して発音される

1)比較的分かりやすいケース

it’s a イツァ
in an イナン
come on カモン

2)リエゾン

a pair of アペアロヴ
am I アマイ
care of ケアロヴ

D 短縮と連結
1)be動詞、have動詞、shall,will,should,wouldなどは短縮形になる。否定の場合さらに短縮される
I’m, I’ve, I’ll, I’d, I should’ve, I couldn’t, I wouldn’t

2)人称代名詞が後に来る場合に連結する
Did you ディッジュ
thank you サンキュー
I’ll help you アイルヘルピュ
bring me ブリンミ
let him レッティム
pull them プレム

E 3語以上の連結
1)3語以上が連結してしまう表現。よく使われるので、そのまま覚えてしまう

a little bit アリルルビッ
come on in カモンニン
coming right up カミンライラッ
for a long time フォーラロンタイ
gotcha ガッチャ got you どうだまいったろう
get out of here ゲッラウロヒー
gimme a break ギミアブレク
I’ve got it アイヴガリッ
I’m feeling better アイムフィーリンベラ
in an hour インナンナー
in about an hour イナバウタナー
isn’t it イズンニ
is that all right イザッローライ
I wonder if アイワンドゥリフ
let me see レッミーシー
pick it up ピッキッラ

2)つぎの表現も非常によく使われる

I oughta アイオータ I ought to
I hafta アイハフタ I have to
He hasta ヒーハスタ He has to

たしかにitやtoやgetが入った文はなかなか口が回らなくて、なんでかなー、と思っていたんだけど、tを発音しないからだったんだ。
あるあるあるあるあるという感じ。

でもこれ真似してると口の中につばがたまりそう。アウアウラウワという感じ。

金融危機の本質は何か
金融危機の本質は何か

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東洋経済新報社 (2013-05-02)
売り上げランキング: 17,130

NHKスペシャルのようなタイトルのわりに、中身はファイナンス理論の入門書。

モダンポートフォリオ理論の根幹をなすさまざまな概念と用語について駆け足で概観している。

かなり複雑で難しい話をとても簡潔に書いていて、書いてあることはその通りなんだろうけど、これ読んで理解できる人はもともとの予備知識がある人だけなんじゃないかという気もする。

まあでも文章が上手なので、いろんなことをわかったような気にはなれると思う。よくわかってなくても。

野口悠紀雄の本は、社会人になりたてのころに超整理日誌などを読んで感銘を受けて、こんなふうに鋭い頭をそのうち持てたらいいなあと漠然と憧れていたけれど、めぐりめぐってファイナンス理論を通じて再会することになるとは実にconnecting the dots。モダンポートフォリオ理論の重鎮がエール大学での担当教授だったらしい。

no.628
 「コイン投げゲームにおいて、ある回で勝つ確率は、それまでの勝敗の歴史に依存しない」
 これが重要な点である。つまり、コインは、毎回、過去の記憶を消し去っているのだ。「これまで表が続いたが、これは不自然だから、つぎには裏を出そう。そして、表の回数を全体のほぼ半分にしよう」などという考えを、コインは持っていない。
 このように「確率が歴史に依存しない」という性質を持つ偶然のプロセスを、ファイナンス理論では「マルチンゲール」と呼んでいる。
・・・
 重要な点なので繰り返そう。人間は、「富が偶然によって得られるのなら、誰もが平均的に豊かになるような力が働くはずだから、突出した金持ちは出現しない」と考えがちだ。しかし、そうではないのである。これまで見たように、「偶然で富が得られるなら、大金持ちが誕生する」というのが正しい見方だ。
 人間の直感は、確率的な事象に関しては、間違っているようだ。とくに、「ランダム」ということが理解できない。「ランダムとは、いろいろなことが一様に起きることだ」と考えてしまう。そして、「同じ結果が連続して得られるのは、ランダムではない」と思ってしまう。

no.1656
 しかし、ファンダメンタルズとして明日考慮されるデータは、現時点では分からない。明日の時点では新しい情報が得られ、その結果、今日の価格付けが変更されるかもしれない。ところが、明日どのような情報が得られるかを、いまの時点で知ることはできない。だから、明日の時点で株価がどうなるかをいま知ることはできない。だから、「明日の価格は確率的にしか知ることはできない」と考えざるをえないのである。そして、これがランダムウォークの考えだ。このように、ランダムウォークのモデルでは、ファンダメンタルズによる価格付けがなされていると考えているのである。

no.1873
 私の考えでは、ヨーロッパが近代を開くことができたのは、自然科学の応用としての技術によるのではなく、また軍事力によるものでもない。それは、分散投資や保険のような社会科学的な技術による。実際、大航海が始まった15世紀の末、自然科学的技術においては、ヨーロッパより中国のほうがはるかに進んでいた。それにもかかわらず中国は大航海を行なうことがなかった。
 それは、中国が官僚国家であり、リスクに挑戦するインセンティブを有していなかったからである。商人の力が強いヨーロッパでは、リスク挑戦のインセンティブがあった。それだけではなく、リスクのある事業を行なうための技術を持っていたのである。それが分散投資に他ならない。

no.3427
資産のプライシング(価格付け)にはいくつかの方法がある(ただし、それらは本質的には同一のものだ。違うのは外面上のスタイルだけである)。そのうち理論的な意味づけが最も明確なのは、第12章で述べた「SDF」(確率的割引ファクター)を用いる方法だ。しかし、これは、抽象的な議論なので、実務家にはなじみが薄い。
 実務でよく用いられるのは、「CAPMの理論を用いて、目的資産のリスクを反映する適切な割引率を求め、その率を用いてその資産の収益の期待値を割引く」という方法である。これは、「ベータ・プライシング」とも呼ばれる(CAPMは、Capital Asset Pricing Model:資産価格評価モデルの略。「キャップエム」と読む)。
 「収益(キャッシュフロー)を割り引いて価格を求める」という意味で、これはDCF(Discounted Cash Flow:割引キャッシュフロー)法の一種である。

no.3516
 ハイリスクが個別リスクによって引起されているのであれば、それはハイリターンにつながらないのだから、高いリスクを負う意味がない。したがって、「ハイリスク・ハイリターン」という表現は誤解を招くものだ。多くの人は、「リスクが高ければリターンは必ず高くなる」と考えているが、そうではないのである。
・・・
 では、個別リスクを回避するにはどうしたらよいか? 答えは簡単で、分散投資をすればよいのである。

no.3593
 CAPMから、つぎの2つのことが言える。
 第一に、個別リスクは、資産の価格に反映されない(個別リスクが大きいからと言って、価格が低くなっているわけではない)。つまり、収益率の変動がいくら大きくても、個別要因によるものである限り、ハイリターンに反映されることはない。
 第二に、市場リスクについても、収益率の変動の程度を表す「ボラティリティ」ではなく、マーケットポートフォリオとの関連(正確に言うと「共分散」)が問題になる。したがって、ボラティリティが同じでも、リターンが異なることがありうる。つまり、ボラティリティは、リスクの適切な指標ではない。
 以上の二つの意味で、「ハイリスク・ハイリターン」は、つねに正しいわけではない。「リスクをとれば、高い収益が得られる」と考えて収益率の変動が高い資産に投資しても、それが報われない場合があることに注意すべきだ。

まあ、要するに、あまり似たものばかり集めないで、ちゃんと分散させましょうね、と。

日本を脱出する本
日本を脱出する本

posted with amazlet at 13.09.23
ダイヤモンド社 (2012-09-01)
売り上げランキング: 11,139

kindleのリストを見ていて目についたので読んでみたけれど。

扇情的なタイトルのわりに、ターゲットが拡散しすぎていて、全体的にぼんやりした感じ。

ワーホリとリタイアメントを並列にまとめるのは無理がある。

親サイトで気になったところだけ読めば十分なんじゃないのかな。

海外移住情報
http://www.interq.or.jp/tokyo/ystation/

ちょっと「へえ」と思ったのは、海外留学や海外就職をネタにした詐欺がけっこうあるらしい、ということ。
仲介業者にこれこれの費用が必要、と言われて振り込んだらそれきり音沙汰なしでトンズラというパターン。
なんだかねえ。

全面改訂 超簡単 お金の運用術
朝日新聞出版 (2013-09-13)
売り上げランキング: 32

山崎元の名著「超簡単 お金の運用術」が、アベノミクスとNISAを踏まえて全面改訂。
kindle版も同時発売なので、海外にいてもすぐ読めて嬉しい。

アベノミクスは早い話がバブル誘発政策なので、これから起きると思われるバブルにどう乗り、どう逃げ切るかは向こう2,3年の日本人にとって大きな課題。
このへんは全日本人の必須教養としておさえておきたい。

でもまあ長くても5年のうちにはバブルがはじけるかもと思うと、10年預けっぱなしが基本のNISAには日本株は混ぜないで、世界株一本にしておいたほうが無難なような気もするんだけどどうなんだろう。
しかし5年後というと2018年で、東京オリンピックが目前になるので、そこで引き上げるのもどうなのかなという気もして悩ましい。
次の1月までの宿題。

No.1299
安倍政権の経済政策である「アベノミクス」とは、
(1)「インフレ目標+金融緩和」で期待実質金利を引き下げて、
(2)為替市場・資産市場に働きかけて、円安と資産価格高を実現し、
(3)上記を通じて投資と消費を喚起して経済を活性化し、需要を追加して、
(4)最終的には物価が上昇し、マイルドなインフレ期待が定着する、
という波及経路を期待する政策だ。

No.1315
バブルはなぜ起こるか。一言で言うなら、「借金で投資するからバブルが起こる」。
・・・
バブルが起こるには、
(1)借金が容易であるために中央銀行の金融政策が緩和的であることと、
(2)貸し手・借り手双方から見て借金のリスクが小さく見える何らかの「仕掛け」
の両方が必要だ。
・・・
今後の注目点は、「借金をしてでも投資したい対象」がどのようなストーリーや仕組みを伴って登場するかだ。
・・・
現状が、バブル的な状況に移行するか否かを判断する上では、まずは為替レートの動きに注目するといい。
・・・
政策の効果が十分に出てきた場合、次に注目しておくべきは「長期金利」だ。
・・・
長期金利は、本稿執筆時点で0.8%前後まで下がっている。これが上昇に転じて、2%を窺うような水準まで来たときには、政策の方向性が変わる公算が大きい。
・・・
大きく言うなら、信用の拡大と縮小、政策的には金融の緩和と引き締めに伴って、経済の拡大と縮小、さらに資産価格の上昇と下落が繰り返し同じパターンで起こっている。

No.1463
 株式投資がインフレに強いというのは、本当なのだろうか。
 詳しい話は省略するが、理論的な「あるべき株価」の考え方に基くと、「割引率」と「成長率」の引っ張り合いで株価は変化する。「インフレ率」はどちらにも共通に影響するので、問題は、「実質金利」と「実質成長率」の引っ張り合いであることがわかる。
 実質金利と成長率がどのように変化するのかは、その時の状況によるだろう。インフレの初期には、金融政策が緩和的で実質金利が下がる一方、実質成長率は高まっている場合が多い。この場合は、両方の効果が株価にプラスに働くので、株式投資が大いに儲かることが想像できる。
 他方、インフレがある程度進んで金融政策が引き締めに入る時期になると、実質金利が上昇する一方で、実質成長率が低下する局面があるだろう。最終的に金融引き締めに勝てる上昇相場はない、というのが株式投資におけるセオリーだが、この段階では、株式投資はインフレに勝つどころか、損失をもたらす可能性が大きい。

まあ、2020年の東京オリンピックはストーリー作りにはおあつらえ向きな材料なので、2020年の開催に向けた誘致活動と湾岸開発が変なふうにエスカレートしたりするのかな、と。

社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!
大和書房 (2013-05-31)
売り上げランキング: 1,001

読みかけで放置していたちきりんの旅行記をふと思い立って読了。
おもしろかった。

ちきりんが旅行してきたいろんな国について、主に経済発展の観点からさまざまな所感が述べられている。

これを読んで、行ってみたいなと思ったのは、
モルディブ、ウイグル、イースター島、トルコのエフェソス

とくにモルディブは、セブで会った日本人が口々におすすめするので、ぜひ近いうちに行きたい。

No.2442 
(80年代ごろ、ミャンマーの金持ちとの会話で)
「家や車やお金なんて持っていても、私の生活は決して豊かとは言えない。豊かな人生というのは、あなたのように希望や自由や選択肢のある人生なんだ」と、彼は言いたかったのです。

僕も最近の個人的テーマとして、何かを判断するときに、「どっちが選択肢が増えるかな、自由度が利くかな」ということをまず考える。
いろんなことをどうにでもなるようにしておきたい。流動性を高めておきたい。
たぶんそういうのが心の余裕や柔軟性に結びつくと思うから。

お金はもちろん大事なんだけど、それと並行して、何かあってもどうにかなるように心身の重しや偏見を極力とりのぞき、身軽に柔軟にしておきたい。
そういうのもお金とは別の、豊かさのひとつの指標だと思う。

不動産じゃなくて金融資産のほうが売買管理がしやすいし、
会社員じゃなくてフリーランスなら時間の自由が効くし、
日本語だけじゃなくて英語も使えれば何かするときの選択肢が増えるし、
日本にとらわれず、海外でも暮らせるようになっておけば、何かあったときにすぐ移れる。