現実を視よ
現実を視よ

posted with amazlet at 13.09.09
PHP研究所 (2012-10-05)
売り上げランキング: 9,717

日本人はもうちょっとがんばらないと、他のアジアの国に負けちゃうよ、気合入れて稼ごうぜ、という話。

まあでも日本は腐っても鯛で、ジャパンナッシングと揶揄されながらも世界第3位の経済大国なので、
ちょっと言い過ぎかなという気もするけれど、
若者を煽るには、ちょっと言い過ぎくらいがちょうどいいんだと思う。

***

今は毎日フィリピンの中産階級の人とえんえんおしゃべりをしているわけですが、
そんなに日本人に比べてハングリー精神たくましいかというと、どうなんだろう。

でもまあフィリピン国内は内需はあるにはあるけど、平均賃金が安すぎるので、
英語がそこそこ話せる人はたいてい海外で仕事をしたいと考えているようで、
まあその時点で、まず国内企業に就活しようとする日本人と比べればたしかにハングリー精神たくましいのかもしれない。

フィリピン人は昔から海外で出稼ぎするスタイルが板についていて、
日本人が地方に出張するのとほぼ同じ感覚で、海外で仕事をしていて、
そういう話をそういうトーンで聞いていると、特にそれがすごいことではないような気がしてくる。

ただ、なんかフィリピン人から「海外で仕事をしたい」という話を聞くと、
「やれやれ、またか」という印象を受ける。
どうせ海外に行ったって足元を見られて単純作業のような仕事を押し付けられがちだし、
それより豊富な内需を利用して、もうちょっと国内の生活レベルを上げる方に力を入れてもいいんじゃないのかなと思うんだけど、
そういうことを言うと、「政治が腐ってるからどうにもこうにもやりようがないんだよね」といったようなことを言われる。
まあそれは実際そうなんだろう。

政治が腐ってるということに関しては、フィリピンも日本も同じだと思うけど、
それでも国に頼ろうとする日本人と、あっさり見限るフィリピン人という構図は対照的。

英語ができるフィリピンの女の子は、アメリカ人やカナダ人、イギリス人、オーストラリア人などの英語圏の男性と、チャットでちゃちゃっと知り合って結婚して外国に移住してしまうらしい。
たくましいというか、いさぎよいというか、あきらめがいいというか、割りきり上手というか。

そういうのを日本人が見習ったほうがいいのかどうかというとどうなんだろうなあ。
でもまあグローバル化が進行すると必然的にそういうノリが普通になるんだと思う。
たぶんフィリピンはグローバルマインドに関しては、日本の10年先を行っている。
未来世紀フィリピン。

セブ暮らしも丸2ヶ月が過ぎた。

はじめの1ヶ月はいろいろと動揺が絶え間なく続いて、結構疲れたけれど、
まあ疲れたぶんだけ興味深い体験も数多くしたけれど、
2ヶ月ともなると、だいぶ慣れて、というかダレてきて、緊張感がなさすぎで、
もうちょっと初心を思い出さないとやばいな、という感じ。

日本人経営の語学学校の寮にいるので、ふだんの暮らしで困ることはとくにない。
強いて言えばごはんがあまりおいしくないのが困りものではあるけれど、
フィリピンというのはそういう国なので、こればかりはどうしようもない。
まあ、おいしくないというだけで、食べられないわけではないし。

なんでフィリピンのごはんがおいしくないのか考えたけれど、
まず出汁がない。
ベトナムなんかはちゃんと出汁をとるんだけれども。
出汁がないと味が単純すぎておいしく感じない。

あと、なぜかタマネギが辛い。長ネギも辛い。体感的に日本のネギの5倍は辛い。
食欲を無くす辛さ。

あと、水切りが徹底されていない。パスタもごはんも一部ぐちょっとしている。
最後水切りさえちゃんとすればそれなりに食べられるものになったはずなのに、詰めが甘い。

そしてカレーがあまり辛くない。まったく辛くないわけじゃないんだけど、あまり辛くない。
何というか、出汁とか香辛料とか、そういうひとひねりの奥行きに対するセンスが欠けている。

まあ、でもいいです。もうこういうものだと思って受け入れることにしました。

つづきはまたこんど。

英語の勉強で、映画を日本語字幕なしで見てみる、というのはよくある話だけど、アクション映画なんかを見てもたいして勉強にはならない。

あえてセリフを丸暗記するほどの価値のある映画というとやっぱりbefore sunriseなんじゃないかと。

というわけで、ネットでダウンロードしたbefore sunriseをiPhoneで聞きながら、ネットでダウンロードしたシナリオを読んでいる。

ジュリー・デルピーは第二外国語として英語を話しているのでまだ丁寧で聞ける英語なんだけど、ネイティブのイーサン・ホークがすごく早口でふにゃふにゃしたしゃべり方で、はたしてこんな英語を自然に聞き取れる日が来るのか甚だ疑わしい。でもまあ何はともあれ繰り返し聞いている。

kindleでもシナリオが出ていたので、おっと思って買ったけど、実際の映画とちょっと違った。
8割くらい一緒なんだけど、映画ではカットされていたシーンやセリフがいくつも入っている。
これはこれでリチャード・リンクレイターのもともとの意図が確認できておもしろい。

あらためて読み直して、本当によくできた脚本だなあと重ね重ね感心する。

before midnightという3作目がアメリカでは今年公開されたみたいだけど、日本での公開は未定らしい。
やれやれ。

米国国家情報会議がオバマ大統領向けに作った未来予測のシナリオのサマリーがkindleで840円で読めてしまうなんて本当にいい時代ですよね、と。

2013年から2030年にかけて、世界のパワーバランスがどんな風に変化していくかを、いくつかのキーワードの組み合わせで、いくつかのシナリオに落とし込んでいる。ふーむー、そっかー、なるほどー、と感心することばかり。やっぱりアメリカはすごい国だなあとつくづく思う。

<印象に残ったところ>

・イスラムの割合が増えていく
・水源管理が肝
・中国は2020年ごろに失速、代わってインドが台頭
・中間所得層は激増。消費財メーカーは強くなる
・アメリカは弱体化する
・シェールガス、シェールオイル革命で米経済が好調になる反面、石油価格の下落で中東は不景気になる
・ロボット、医療に注目

———-
10年くらいの気長なスパンでインデックス投資をするにあたって、こういった長期にわたる未来予測があるととても助かる。

2013年に入ってから、中国のバブル崩壊を意識してか、エマージング指数がガタガタと落ちていく一方なので、新興国のポジションはいったん解消してしまったけれど、2020年までのどこかのタイミングでまた突っ込んでおきたい。

フロンティアにも期待したいけれど、アラブの春の余波はいまだ不安定極まりないし、シェールガスで中東の優位性が崩れてしまうと、なかなか厳しそう。

たぶん日本のバブルが終わる2015年くらいまでは先進国に絞っておくのが賢明かなと。
2016年ごろ、日本バブルを引き上げたところで新興国とフロンティアに突っ込むのがだいたい妥当なのかなあと漠然と思い浮かべている。

あとまあ、とにもかくにも2030年の世界はインドに大注目なわけですが。
インドねえ。。。インドかあ。。。よくわかんないなあ。

まあインドについて考えるには、とりあえず一度インドに行ってみないと始まらないと思う。

原著のダウンロードページ
http://www.dni.gov/index.php/about/organization/national-intelligence-council-global-trends

未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる
文藝春秋 (2013-08-16)
売り上げランキング: 142

ちきりんの新刊がkindleになってたので読んでみた。

「人生は二回、生きられる」っていうか、二回生きるようにしないと死んじゃうよね、というような話。

僕が会社にしがみついてヒイヒイ言ってるサラリーマンだったらもうちょっとガツーンと来たのかもしれないけど、今はこんな調子なので、「ああ、うん、まさに、それで?」という感じ。

もうひとつ突っ込んだところを読みたかったけれど、煽りで終わってしまっているところがやや食傷気味。

でもまあこういう本を読んで動き出す人が増えるのはいいことだと思うので、なるべく多くの人におすすめはしておきたい。

まあなんだかいろいろ大変な世の中ですよね。

先進国の人は否が応でも2倍生きることを強いられる未来だと思います。

ヒューマン2.0 (朝日新書)
朝日新聞出版 (2012-08-01)
売り上げランキング: 23,821

もう6年前(!!)の本ですが、この手の本だと、やっぱり「ヒューマン2.0」がサクッとビビッとくる良書だと思うんですけどね。

でもまあ、それは単に僕がそういう反応をするタイミングに読んだから、というだけのような気もする。

kindleも出ていたので、一応貼っておきます。

寄付をすると、所得税と住民税が安くなる。

所得税の場合は、源泉徴収がそれなりにあれば、還付金が増える。

住民税も、年4回の支払で、1回毎に数万が引き落とされると、残高がガクッと減ってあわてることがあるので、一回のタイミングで寄付をどかっと払うことで、ちょくちょく払いの額を減らせたほうが、キャッシュ・フローが単純になり、心臓への負担を減らせる。
給与所得からの特別徴収だと毎月ちょっとずつ引かれるからそんなに気にならないんだけど、年4回払いの普通徴収だと1回の金額が大きいので結構血の気が引く。

公益社団法人、公益財団法人に寄付をすると、所得控除だけでなく、税額控除も選択できる。
税額控除のほうが総合課税と申告分離課税の合算からマイナスできるので、たぶん有利。
有象無象の任意団体よりも、国のお墨付きがある分、書類の発行体制などが整っていて、手続きもスムーズだと思う。

http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1266.htm

だいたい寄付金額の3割が所得税から控除される。
1万円寄付すると、3000円くらい。
10万円寄付すると、3万円くらい。
確定申告で源泉徴収から還付しきれなかった額から逆算すれば、最適金額が導かれる。

さらに1割くらいが住民税から控除される。
よって、1万円寄付した場合の実質負担は、6000円くらい。
10万円の場合は、6万円くらい。

で、どこに寄付するのがいいのかな、ということで、
とりあえず、「公益社団法人 寄付」「公益財団法人 寄付」でグーグル先生に聞いてみた。

一例。

日本ユネスコ協会連盟
:発展途上国の教育支援、世界遺産の保護、日本の自然・文化を守る
http://www.unesco.or.jp/support/donate/deduction/

日本環境技術協会
:健康で快適な生活環境の確保並びに地球環境の保全に寄与することを目的として、水質・大気・有害化学物質等の環境測定技術向上のための調査研究、測定データの信頼性確保のための技術講習会及び資格認定試験、諸外国との技術協力及び情報の収集等の各種事業を実施しています。
http://www.jeta.or.jp/donation

日本ユニセフ協会
:子どもの権利の保護および子どもの基本的ニーズの充足、子どもの潜在的能力を十分に引き出すための機会の拡大を推進
http://www.unicef.or.jp/cooperate/coop_tax.html

日本WHO協会
:WHO(世界保健機関)憲章の精神を広く普及徹底し、その事業の目的達成に協力し、我が国及び海外諸国の国民の健康増進に寄与する
http://www.japan-who.or.jp/m_recruit/kifu.html

アムネスティ・インターナショナル日本
:すべての人びとの人権が守られ、誰もが紛争や貧困、拷問、差別などの人権侵害で苦しむことのない世界の実現を目指しています。
http://www.amnesty.or.jp/get-involved/donation/tax_credit.html

企業メセナ協議会
:即効的な販売促進・広告宣伝効果を求めるのではなく、社会貢献の一環として行う芸術文化支援
リンク

全国精神保健福祉会連合会(みんなねっと)
:精神障がい者と家族が地域で安心して暮らしていけるよう、孤立しがちな家族同士が学び支えあうこと、専門家や関係者と協力して、社会の偏見をなすことや、精神医療・保健・福祉の制度を改善することを目的に活動しています。
http://seishinhoken.jp/profile/national/contributions

日本障害者リハビリテーション協会
:障害者のリハビリテーションに関する調査研究と国際的連携のもとに障害者のリハビリテーション事業を振興することを目的としています。
http://www.jsrpd.jp/static/do/

がん研究振興財団
:がんの征圧をめざし、研究などの助成をする
http://www.fpcr.or.jp/donation/

東京都歴史文化財団
:東京都における芸術文化の振興並びに都市の歴史及び文化の継承とその発展を図り、もって創造性に満ち、潤いのある地域社会づくりに寄与することを目的としています。
http://www.rekibun.or.jp/support/contribution.html

うーん、なんだかいろいろあるもんだ。
ユネスコかなあ。。。

あまりエッジの効いたところはなんとなく避けてしまう。
こういうのを選ぶときってすごく性格が出る気がする。

たぶん、どこの団体も、単純に企業の経済活動では割り切れない、公共の福祉を脅かす何らかのリスク、脅威、不安を減らすために活動している。
健康不安や自然破壊、人権侵害、教育機会の欠如など。

今の自分が未来に不安を感じるとして、経済的不安の他に、どんなものに不安を感じているか、問題意識を持っているかを問われるのだと思う。
寄付も遠回しな投資の一種。
WHOやがん財団への寄付がめぐりめぐって自分や家族や友人の治療に役立つこともあるのかもしれない。

「ブラックジャックによろしく」がkindleで全巻無料で出ていたので、全巻落として読んでみた。

いやー、これは・・・・

大学病院はこわい。

背筋が凍って全身に鳥肌が立つ瞬間が5回くらいあった。

な、なにそれ、ひどすぎ・・・と呆気にとられる。

セリフがまったくなくて、絵だけで何ページも続くシーンがちょくちょくあるのが印象的。

まあ、いわゆるひとつの必読書。

くれぐれも健康には気をつけようと思った。

利率が高くてもインフレ率も高ければ、実質金利はたいしたことない。
ベトナムは1年定期の利率(名目金利)が10%だけど、インフレ率も9%なので、実質金利は1%。

10年国債の利率だけだと片手落ちなので、インフレ率も調べておこうかなと、
「インフレ率」で検索したら、とても見やすいサイトを見つけたのでキャプチャ。

出典はこちら。
http://ecodb.net/ranking/imf_pcpipch.html

infre

http://ecodb.net/ranking/imf_pcpipch.html

だいたいの傾向として、
11%以上の超インフレは、アフリカに多い。政治が不安定だからだろう。
6-10%の高インフレは、アフリカに加え、アジア・中東・中南米・中欧の途上国が入り乱れる。
1-5%の低インフレで、ようやく先進国が入ってくる。あとは比較的安定している新興国、タックスヘイブン、資源国。
マイナスのデフレは、日本、スイス、グルジアの3カ国のみ。
日本とスイスについてはリスクマネーの逃避先として通貨価値が過大評価されているからだろう。
グルジアはよくわからないけど。

まあ、そんなわけで、インフレ率についても、10年国債と同様に、
2%くらいはまあまあ普通で、
5%近くになってくると先進国としては危険、というくらいの目安でいいと思う。

***

ただ、それは「先進国としては危険」というだけの話で、別にインフレが10%になったからと言って世界が終わるわけではない。
パキスタンやイエメンやモルディブの人だって、毎日仕事をして、ご飯を食べて、夜は家で寝て、週末は遊びに出かけて、それぞれにそれなりの日常を過ごしている(たぶん)。

国家破産したからと言って、今までと全く同じ生活レベルとプライドと社会保障を現状維持することが難しくなるだけで、生活が全く成り立たなくなるわけではない。
先進国としては若干見劣りするかもしれないけれど、中進国としてそこそこの生活が続くのだろうと思う。問答無用に死にはしない。(治安は少し悪くなるかもしれない)

だからまあ、そんなにピリピリして悲観的になることもなく、毎日の生活を健康に過ごすことが大事なんじゃないのかな。

成田空港は遠い。
もう貨物便だけ残して、旅客便は全部羽田に移していいと思う。
でもまあ今は使う他ないので使っている。

成田空港にはいつも京成本線の特急で行っていた。
日暮里からだと1000円。
笹塚からだと都営新宿線の終点の本八幡から京成八幡に乗り換えて、840円。
笹塚からは乗り換え1回で済んで便利だった。

しばらく前、もう遅刻ギリギリになってしまい、本八幡乗り換えを断念し、
日暮里からスカイライナーに乗ったことがあった。
そのとき切符を見たら、乗車券1200円、特急券1200、合計2400円となっていた。
日暮里ー成田空港は京成できっかり1000円、スカイライナーは2倍の2000円という値段設定が印象に残っていたので、
200円ずつ値上げしたんだな、と思った。

ところが日暮里ー成田空港は、実は1000円のままだった。
スカイライナーは京成本線を走るのに、なんで200円高いんだろう、と思ったけど、頻繁に乗るものでもないので、調べないで放置していた。

しかし、この前、スカイアクセス線という路線の存在に気づき、一体これは何なんだ、と思って調べたら、
かつて京成線を走っていたスカイライナーは、現在は実はスカイアクセス線を走っているのだった。
他社線(北総鉄道)への乗り入れなので、その分200円値上げしたようである。
2010年に開業していたそうな。ぜんぜん知らなかった。
スカイライナーは京成線なのに京成本線を走らない。ずいぶん捨て身な戦略。

で、スカイライナーが走るのに、なんでスカイアクセス線なのか、スカイライナー線でいいじゃないか、
と思ったんだけど、どうもこの路線にはアクセス特急というのも乗り入れていて、
それは品川の方からの京急・都営浅草線で、青砥から入り込んでいる。
スカイライナー+アクセス特急=スカイアクセス ということらしい。

羽田にも国際線ターミナルができて、成田から羽田への国際線乗り継ぎなどもありうるので、
羽田行きの京急と成田がつながっていると、移動がしやすいということなんだろう。
これも京急・都営浅草線を通るのに、運営は京成線らしい。なんか画期的。コバンザメ経営。

image01

http://www.keisei.co.jp/keisei/tetudou/skyliner/jp/index.html

で、このアクセス特急というのが駅をとばしまくっていて、ルートも近道でとても早い。
その早い分もあって、200円値上げされているようだ。

多少時間がかかっても、安く行きたいということであれば、相変わらず京成本線の特急が一番安い。

・・・と思っていたんだけど、この京成バスの東京シャトルというのが実は最安だった。
東京駅ー成田空港間が900円。

http://www.keiseibus.co.jp/kousoku/day/nrt16.html

20分間隔で走っていて便利。

まだ乗ったことないけど、こんど機会があれば使ってみたい。使うとしたら帰り道。

でも京成本線と100円しか差がないからね。
荷物を持って、バスのりばから駅構内に行き来する手間を考えると、京成本線の方が楽かも。
まあ、東京駅着だと、中央線の始発に座って帰れるというのがせめてもの利点。

20130429-192359.jpg

ベトナムにいます

ノマド化する時代 (ディスカヴァー・レボリューションズ)
大石哲之(@tyk97)
ディスカヴァー・トゥエンティワン
売り上げランキング: 5,801

近い未来、みんなノマドになってしまうのでは、という話。

もとはジャック・アタリが『21世紀の歴史』で著述したことだけれど、
今後、富裕層、中間層、下層はこのようになるという。

富裕層:ハイパーノマド (常に最適な地へ移動。いいとこどり)
中間層:バーチャルノマド (しぶしぶ定住。緩慢に生活は苦しくなりそう)
下層:下層ノマド (しぶしぶ移動。待遇は低くなる一方)

グローバルに活躍・競争するハイパーノマドが、下層ノマドを活用(搾取)することで、日々アップデートしていくグローバルなビジネスインフラから生みだす製品・サービスを、定住民のバーチャルノマドが消費するというような構造。

と、端的に書いても何がなにやらという感じだと思うので、詳しくはこの本を読んでください。

橘玲の『貧乏はお金持ち』の最後が、「自由な世界は追い求めて得るものではなく、ある日背中から突き落とされるようにして巻き込まれる悪夢かもしれない」というような文章だったと思うけど(今手元にないのでうろ覚え)、その続編・各論として読むとしっくりくる。

アタリはまた、「市場原理主義が勝利をおさめ、国という秩序(民主主義)を破壊してしまう未来を描く」という。

「金融市場とグローバル多国籍企業のちからは、もはや小さな国の規模を超えてしまい、世界をコントロールする主要なプレイヤーとして、国と並んで、いや国よりも強い影響力を世界にもたら」す。それが<超帝国>。

民主主義はもう終わっているんじゃないか、民主的な解決をしようとしたってもうにっちもさっちもいかないんじゃないか、という話は最近あちこちで目にするので、なるほどねえ、と思った。

市場原理主義の拡大にbetしている手前としては追い風な言説ではあるけれども、その先の世の中が殺伐としてそうな予感もまた避けられそうにない感じだ。

良い悪いでもなく、陰謀論でも終末論でもなく、望むと望まざるとにかかわらず、しょうがないよね、そうなっちゃうんだし。たぶん。
それは大半の人にとって、不都合な真実には違いない。
でもだからこそ、意識的に見つめないと見えてこない。

さてどうしたもんかね、というところですが、まあとりあえずこのあたりの本を読みながら引き続き考察を深めたいと思います。

21世紀の歴史――未来の人類から見た世界
ジャック・アタリ
作品社
売り上げランキング: 14,221
フラット化する世界〔普及版〕上
トーマス・フリードマン
日本経済新聞出版社
売り上げランキング: 28,619
「週4時間」だけ働く。
ティモシー・フェリス
青志社
売り上げランキング: 29,419
ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉
リンダ・グラットン
プレジデント社
売り上げランキング: 1,938
フリーエージェント社会の到来―「雇われない生き方」は何を変えるか
ダニエル ピンク 玄田 有史
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 11,282
ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代
ダニエル・ピンク
三笠書房
売り上げランキング: 1,159
サバイバル時代の海外旅行術 (光文社新書)
高城剛
光文社
売り上げランキング: 14,150

高城剛が旅行をする際のライフハック的なノウハウとガジェットがいろいろと紹介されている。
どれも興味深い。

類書のLIFE PACKINGと合わせて、今後の旅の参考にしたい。

LIFE PACKING(ライフパッキング)【未来を生きるためのモノと知恵】
高城 剛
晋遊舎
売り上げランキング: 8,211

p168
 時代は、SOHOと呼ばれたスモールオフィスからモバイルオフィス、そしてついにトラベルオフィスの時代へと変わりつつあります。その背景には、インターネットやサーバーなどのバックオフィスの高度化、情報機器の多機能化といった技術革新と、他方で不安定な社会情勢があります。何が起こるか分からない不確実なこの時代に、最後に必要となるものは、どこでも仕事してやる! という根性だと思います。デザインされたきれいなオフィスでないと仕事ができないという発想は、きわめて20世紀的でオールドファッションです。あらゆる問題が世界と連動する現代、いくら自分の守備範囲の物事が整理できても、多くの本質的な問題は解決できないでしょう。自分自身で動き、自分の目で見た現実を受け入れ、自分自身が変わること。そこにしか突破口はありません。
・・・
 個々人の目指すゴールの一つは、生活を豊かにする、日々を楽しく過ごすことだと思います。それは、人生の”質”を高めることを意味します。そのためのコミュニケーション能力や経験値の向上、危機管理能力があり、それらを試され、同時に向上させるきっかけとなるのが、まさに旅なのです。したがって、旅の達人になるということは、人生の達人になることを意味するのです。